| 青春デンデケデケデケ |
| 「待ちよったんよ、お前の帰るんを」 |
| 1992年 日本 監督:大林宣彦 原作:芦原すなお 音楽:久石譲 出演:林泰史、大森嘉之、浅野忠信 |
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| 舞台は1965年の香川県、観音寺という小さな町でバンド活動に明け暮れた田舎の高校生たちの三年間が、ノスタルジックに描かれている。主人公のちっくんがのんびりと昼寝をしていた時にラジオから流れてきたのがベンチャーズの『パイプライン』、デンデケデケデケというサウンドに「電気的啓示」を受け、ロックこそ永遠の青春と確信、同級生を誘ってバンドを結成、「ザ・ロッキング・ホースメン」と命名し、楽器購入のために夏休みはみんなでバイトし、アンプは工学部志望のクラスメートの自作で、練習場を求めて時にはキャンプを張りながら移動に移動を重ね、高校生活を満喫する。 当時は歌謡曲が全盛の時代で、後のGSブームに乗っかるにはやや早く生まれてしまったちっくんたちだが、チャック・ベリーやビートルズ、ビーチボーイズといったロックを愛し、我が道を往く。淡く儚い初恋物語やバンド内の友情など、素材に目新しさはなくとも、山があり、川があり、橋の上を自転車が走り、海鳥たちが飛び、懐かしい日本の風景を背景にこれだけ爽やかに高校生の日常を描かれると、ずい分と昔に高校を卒業した者でも思わず胸が熱くなる。早口の方言はほとんど聞き取れない部分も多いのだが、それがかえって自然な演出となって雰囲気を出している。さらにバンド仲間や家族だけでなく、近所の人たちとの素朴な交流も描かれていて、そこには温かい人たちがたくさんいた。ザ・ロッキング・ホースメン最後の舞台となった文化祭も大盛況のうちに終わり、冬休みに入り、いよいよ進路について真剣に考えないといけない時期が来て、燃え尽きそうになるちっくんをみんなが励ますシーンは、久石譲の音楽と相まって切なさが倍増、思わず感涙にむせびそうになった。まさに音楽の素晴らしさ、影響力の大きさを伝える映画だ。 全編を通して、寺の息子でベース担当の合田富士夫(ごうだふじお)が、ものすごくいい。主役のちっくんや、ギターの浅野忠信をも凌ぐ存在感を見せつけている。高校生にして町の顔役、情報通で世話好きのおばちゃん(?)、といった存在だ。しかしそんな合田富士夫をもってしても、やはりこの映画の主役はちっくんでしかあり得ず、ちっくんはザ・ロッキング・ホースメンの終身バンドリーダーに任命される。現実に熱く短く生きた人は過去にもたくさんいるけれど、そういうカリスマ性を持つ人間には、仲間がいるんだと改めて思った。それは甘えかもしれないし、もっともっと個の力を大きくするべく努力することは必要だと思うけど、それでもやはり、自分を大きくするべく努力できるのも支えてくれる仲間がいるからこそだと思う。素敵な友情物語だ。 ちっくんを日本の "Johnny B. Goode" だと言うと言いすぎだけど、観音寺の "Johnny B. Goode" だと言ってあげたら、喜ぶだろうなぁ。 |
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